てんかん症状が出ても慌てないで!

実は日本にはたくさんのてんかん患者さんがいます

突然の意識喪失やけいれんなどの発作が起こる恐ろしい病気であるてんかんは、実は世界中に5000万人もの患者がいるありふれた病気の一つです。
大人でも子どもでも、老若男女を問わず誰でも発症する可能性があるため、自身はもちろん自身の親や恋人がてんかん患者であるという場合もあるでしょう。
日本人にも約100万人の患者さんがいます。1000人に5人から8人の割合で発生するのです。

てんかんは脳の慢性疾患です。
脳の神経細胞・ニューロンに突然激しい電気的興奮が発生することでさまざまな症状が起こるのです。
大きな症状と言えばやはりけいれんを起こしたり、突然意識喪失して倒れたりといったものがありますが、非常に短時間の意識消失や全身や手足が一瞬ぴくっとするだけのものなども含めてどれもてんかんなのです。
たまに小さな女の子がぼうっとしていることもありますが、これももしかしたら小児欠伸てんかんかもしれません。
けいれんを起こすことはほぼなく、意識混濁のみが起こるのです。
運動中に急に動きが止まってぼうっとしていたりするのです。
授業中にぼんやりしているからと叱るだけでなく、そういった症状が続くようであれば一度病院で診てもらった方がよいのかもしれません。

てんかんの症状はほとんどは遺伝は関係ありません。
てんかん患者が結婚して子供を産んでも子供に影響を与えることはないので安心していただきたいのですが、その一方でてんかんに関する知識のない普通の家に突然症状を持つ子どもが生まれることもあるのです。
死に至ることはないものの、発作時に気をつけないと周りに置いてあるもので怪我をしたり舌をかんでしまう危険性さえあるのです。
万が一、発作に立ち会った場合には周りの危険なものを遠ざけ安全性を確保した上で、どのような様子だったか・何分程度発作が続いたか・その後の状態はどうであったかなど冷静な観察眼が求められます。
発作は何度も繰り返すでしょうから、次第に慣れてくるはずです。

身近な人にてんかん症状が出た場合の動きとは

親や子ども、恋人など身近な人にてんかん症状が出た場合、最初に行うのは冷静になり周囲の安全を確保することです。
てんかん症状の多くは5分以内に自然と収束するので、特定の場合を除き救急車を呼ぶ必要はありません。

てんかん症状にはけいれん性と非けいれん性があり、周囲の対応も変える必要があります。
けいれん発作の場合、周りにある火・熱湯・鋭い形状の物等を遠ざけ、ベルトや首回りなどを緩めます。
患者さん本人が身につけているメガネや腕時計、アクセサリー等も怪我の元となるため注意が必要です。

仰向けで激しいけいれんを起こしているときは、気道の確保のため下顎に手を当て首を伸ばすように上に押し上げて窒息や舌をかむことを防止します。
けいれんが収束したら気道を確保した状態で頭部を片側に倒すか横向きに寝かせ、意識が回復するまでその状態にしておきます。
食事中の場合は食べ物で窒息しないように注意し、嘔吐した場合も窒息を回避するため吐瀉物や唾液を除去しましょう。

一方、非けいれん性発作で意識がぼんやりしている場合は、近くの危険物を遠ざけたら意識が戻るまでそのまま見守ります。
立っている時にこの症状が起きたときは、転倒しないように支えながら椅子等に座らせましょう。

いずれの発作も周囲の人がしてはいけないのは大声で呼びかける、体を揺する、叩く等の行為で、驚いた患者さんが思わぬ動きをするなど双方にとって危険です。
また気道の確保のためにタオルなどを口に入れることも、かえって危険なので行いません。
一方、発作が5分以上続く、発作後に意識が回復しないうちに次の発作が起こる、呼吸が不規則で顔色が悪い等の場合は、早急に救急車を呼びます。

患者さん本人は発作時に意識がないか薄れていることが多いため、身近な人は上述の介助をしながらできる範囲で観察し記録することが望まれます。
スマートフォンやデジタルカメラがある場合は発作の様子を動画に撮っておくと医師の診察の際に役に立ちます。

身近な人がてんかん症状に上手に介助することで、患者さん本人の不安も和らぎます。
てんかんは日本に100万人、日本人の1000人に5〜8人の割合で患者さんがいる有名な病気ですが、正しい知識を持って対処できる人は多くありません。
身近で大切な人はもちろん、外でてんかん症状に遭遇したときも冷静な手助けが患者さんの役に立ちます。